2022年11月29日「Colaboとその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害に関する提訴記者会見」における角田由紀子弁護士のアダルトビデオ業界関係者に対する職業差別、出演者にスティグマを負わせる発言に対する抗議声明

2022年12月26日

AV人権倫理機構
代表理事 志 田 陽 子
理事 河 合 幹 雄
理事 山 口 貴 士
理事 歌 門   彩

 当機構は、適正AV業界の第三者自主規制コンプライアンス機関です。当機構は、出演者の人権、特に自己決定権に十分に配慮した映像作品が「適正AV」であるという新たな考え方を提唱し、「作品制作から販売に至るまで」出演者の意思決定を尊重し、人権を保護する自主規制ルールを設け、AⅤの出演者が自己決定権を尊重された環境において十分な情報開示をされ納得した場合においてのみ出演がなされるよう、AV制作業務の適正化を実現するための施策を適正AV業界に提案し、実施してきました。当機構が提言し実施してきた施策の多くはいわゆるAV新法にも反映されております。
当機構の基本的な考え方については、以下のリンクをご参照ください。
https://avjinken.jp/roposal.php

 2022年11月29日に行われた「Colaboとその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害に関する提訴記者会見」(以下、「本件会見」)において登壇者の一人である角田由紀子弁護士から以下の発言がありました。

角田由紀子弁護士の発言 「アダルトビデオっていうのはですね、えー、まさに女性を性的に虐待してですね、そのことを娯楽にしてる、類のものなんですね。」
出典:20221129_Colabo記者会見全文書き起こし https://note.com/sfrn/n/naaeacd4355ab

 当機構の適正AVによる自主規制が機能し、業界の健全化に寄与することが出来たのは、ひとえに、適正AV事業者や出演者、特に女優さんたちが自分達の職業に矜持を持ち、自分達の働く場を守るために一生懸命、遵法の努力をしてきたからに他なりません。

 しかしながら、角田由紀子弁護士のようにアダルトビデオ全般について「女性を性的に虐待して娯楽にしている」旨を公の場で断言することは、日々誠実に、各種法令および適正AVの自主規制ルールを遵守してAV制作業務に携わっている適正AV事業者に対してまで、「女性を性的に虐待」していると決めつけている点で、不当にこれを貶めるものです。これは、適正AV事業者に対する偏見と職業差別であると言わざるを得ない内容です。また、同時に、その発言は、適正AVに自らの意思で出演しているAV女優さんについてまで、エンターテインメントのプロフェッショナルとしての矜持を否定し、その自主性、主体性を無視して、性的虐待を受けているものと決めつけている点で、事実に反する劣位化を社会に印象付け、結果的にスティグマを負わせるものとなっています。

 これらの発言が、記者会見において報告された妨害問題において、言及することが必要な関連性を持つ発言であったかどうか、甚だ疑問です。

 上記の発言は、職業差別であるだけでなく、女性の人権のために戦ってきたことによって多くの尊敬を集め、社会的影響力を有している法律家の発言として、看過できない内容となっています。なぜなら、出演強要被害を防止しなくてはならないことは当然としても、事実認識の問題として、適正AV業界で働くことを選択した女性は、十分な自主性、主体性、自己決定権に基づいてこれを選択しているのであり、上記発言はこの事実を否定するものとなっているからです。これは当機構の「適正AV」による自主規制が機能する前提が存在しないという認識となってしまっているため、当機構としては、実効性ある人権擁護のために、この部分の事実認識を改めていただきたいと願うものです。 以上の理由により、当機構は適法に活動している関係者の名誉回復のため、角田由紀子弁護士に対し、上記発言の撤回を求めて、抗議の声明を明らかにする次第です。AV業界がここ数年で大きく変化したことについて、実態をお調べいただければ、上記発言をご訂正いただけるものと信じております。

 なお、この抗議と発言撤回の要請は、あくまでも上記発言についてのものであり、発言の場となった記者会見の内容である「Colaboとその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害」の問題について、言及するものではありません。

【連絡・問い合わせ先】 取材などのお問い合わせは、ホームページのお問い合わせ先フォームからお願いいたします。
https://avjinken.jp/contact.php
 なお、本声明は12月23日に出しましたが、議論途上のものであり、社会向けに公表する文書として体裁・文言を整え加筆をいたしました。文意、趣旨はなんら変わっておりません。